100日経ったら伝えたかったこと

(この記事は 2022年2月1日に連続ツイートした内容 に加筆・修正したものです)


100日経ったら書きたかったことを連投します。


【まとめ】

  • アカウントを作ったのは、1億円後の様子を皆で見たいから。
  • お金を増やすには、時間と入金力の双方が大事。
  • 時間を味方につけるには、投資の仕組みを理解して整えておく。
  • 入金力は転職や起業、副業で上げる。投資では難しい。
アカウントを作った理由は何度かお話していますね。目標にされることの多い1億円という金額を達成した後はどうなるんだろう?という体験をリアルタイムで共有できたら、少しは誰かに面白がってもらえる(あわよくば役に立つ)のでは?という気持ちがきっかけです。


100日経ちましたが、どうでしょう?何とこのアカウント、含み損を抱えています。入金額が大きいからといって、それだけで自動的に利益が舞い込んでくるわけでは無いことがよくわかります。お金が増える期間を長く過ごし、含み益を育てていく時間が必要なことが実感できますね。インデックス投資でよく言われる「お金を長く市場に置いておくことが重要」というのが正にこれです。


もちろん、一時的な暴騰にうまく乗れれば短期間で資産を増やせますが、外れ値を基に議論をしても再現性が低いので、やめておきましょう。時間が重要なのであれば、なるべく早いうちに自分で証券口座を開いて、少額でもお金を入れておくのが良いでしょう。幸い今は、つみたてNISAのような制度も整ってきているので、昔に比べればだいぶハードルは下がりました。若い人は特に、1日でも早く行動すると良いでしょう。


同時に、複利計算をすると気付くことがあります。資産運用を行えば確かに利益が膨らむ可能性が出てきます。時間をかけて順調に資産を増やせれば、複利効果も高まります。ですが、人生が変わるようなレベルの金額にはならないのです。しかも困ったことに、若いうちに大きな金額になってくれないのです。


このような気付きに至った際に、投資=お金持ちヒャッホウ!でないと残念に思ってしまう人も一定数いるようです。私もそうでした。あれ何でなんでしょうね。老後に一定額がちゃんと貯まっているぜ!という状況が確保できるだけでも、実際にその時になったら相当安心できると思うんですけれども。でもまあ皆、老後の暮らしの前に、今の暮らし向きを良くしたいと考えるのですよね。


20代の頃の私も「ふむふむ投資信託。年に数%増えてくれる。しかも福利。計算しよう。おおっすごい。あれ、でも、これって時間+入金力が無いと勝利条件を満たせないゲームじゃん」と気付くことになります。当時は低年収。つらい。始めてはみたものの数十万円程度の入金だったので「これって後から1千万円ドーン!とかやれる人に即抜かれるじゃん……」と思いながらのスタートでした。


含み益を育てるのも大事ですが、そもそも持っているお金の絶対額が大きくなっていることの方が、人生におけるインパクトは大きいですよね。全財産100万円を10年で1000万円に増やした!含み益900万円だ!という人はもちろん素晴らしいのですが、3000万円の余剰資金で投資を開始した人の方が、人生におけるお金の余裕はありそうです。私も、リーマンショックの前から持ち続けている個別株があります。株価は10倍以上になりましたが、当初の額が数万円だったので、今の金額も数十万円でしかありません。テンバガーだ!と言うことはできますが、やっぱり絶対額をどう増やすかの方が重要だと思います。


だからと言って、少額でスタートすることには意味が無いとか、そもそも投資なんか行わなくて良いということにはならないと思います。少額でも良いので、自分に合った投資のスタイルを見つけ、その仕組を整えておくことで、元手となるお金を増やすことができた暁には、その資金をスムーズに投資に回すことができます。一般的に、勉強と体験の期間は長いほうが良いと思います。少額からの一攫千金を狙った投資も不可能ではないと思いますが、再現性の高い手法は存在しないように思います。また、先見性が求められる場合が多いので、そういった機会の数自体がそもそも少ないですよね。私も10年以上前に、ビットコインを買う気満々だったのに、実行力の欠如から買い逃していますし(当該のTweet)。



投資信託を開始し、個別株も少し行い、FXも多少やってみた結果、当時の私はそれらで大金を得るのは難しいなという結論に達しました。幸い、どれも損失を出すことは無かったので、FXはもう止めにして、投資信託と個別株は放置したまま、本業の年収を上げていく方向に舵を切ります(後に個別株にお金をだいぶ投じていくことになりますが、それは入金力が上がってからの話です)。


年収とは不思議なもので、自分の能力で決まる部分と、能力の外で決まる部分に分かれます。今考えるととてもシンプルなのですが、当時はとても悩みました。


能力で決まるのは、自分が所属している組織の中の階級別給与テーブルです。おおよその話として、これは頑張れば上がります(頑張っても頑張っても年次でしか給与が上がらない会社も存在すると思いますが)。一方、あなたの能力や素晴らしさは変わらないのに、どの規模の会社に勤めるか、どの業界に行くのか、どの役職に付くのかによって、あなたの年収は変わってしまいます。


働いてお金を得たい場合、お金が流れている業界や企業に入っているのか否かで、その人の給与はだいぶ異なります。もちろん、高い給与の会社に入るには高い能力が求められます。それは当然です。ただ、能力の高さだけが、給与を決める絶対的な条件ではありません。とても優秀な日系企業の方と、同じように優秀な外資系企業勤めの方がいたとして、後者のほうが給与が高いことがあっても、不思議ではないですよね。


よく就職活動で業界地図と言いますが、世の中まさにそうで、職業はいくつかの軸で切り取ることができます。公務員なのか民間なのか。日系企業なのか外資系企業なのか。各種業界とその中の企業群。スキルや経験についても、業界や役職ごとに求められる内容が異なる場合もあれば、それらに関係なく必要となるものも存在します。そして、年収や福利厚生はその会社の立ち位置によって、かなり大きな差が生まれる可能性があります。


我々は自分のやりたいことや、やってきたことをベースに仕事を選びがちですが、その際に「だから自分の立ち位置はこの辺だろうな」と、無意識に可能性を閉じてしまいがちでもあります。世の中がどう動いていて、それに向かって自分は何が提供できるかを考えてみるのも、キャリア形成を考えるうえでは重要ですね。その際には情報収集が必要で、転職サイトを見たり、知人や紹介された人の話を聞いたり、転職エージェントに会ったりといった手段がありますが、当たり外れがどれもあるので、なるべく多くの情報を摂取して、自分の中で今後の方向性を形づくれれば良いと思います。


この企業や業界に行きたいけれども、自分の経歴では難しい(経験や業績がない)と考えてしまう場合もあるかもしれません。その場合は、今後どんな経路を辿ればそこに近付くのか?を考えると道が開けるかもしれません。望むものは今すぐ手に入れたくなりますが(お金みたいですね)、それが叶わないのなら、今できる最善を考えたいものです。


本業の年収を上げたいのなら、まずは自分のいる環境を見て、その中の年収テーブルの伸び代に満足できるのなら、今いる組織で昇給を図っていくのが良いでしょう。同時に、自分がいる池よりも水が綺麗な場所もあるかもしれません。情報収集は続けると良いですね。自社の給与テーブルに満足できないのであれば、転職して昇給を目指すか、当面の給与は変わらずとも、今後の上昇の余地が大きくなる環境に移ることも検討しても良いと思います。あるいは、副業に費やす時間が確保できる役職に社内異動/転職を目指す方もいらっしゃるかもしれません。


社内で評価を上げるにしても、転職するにしても、あなたが何に情熱を持ち、どんな能力や資格を持っていて、今まで何をしてきた人なのかは、見てくれる人に伝わりやすい形(かつ、自分が相手にこう思われたい、という形が明確に伝わるように)でまとめておきましょう。「一生懸命やっていればお天道様が見ていてくれる」的な考え方がありますが、「やったものを他者が参照可能な形にまとめておく」までやって初めて「一生懸命」です。やったことの大小に関わらず「こういう課題に対して、こういう取り組みを行いました。結果、このような成果が出て、次にはこうつながる見通しです。同じ手法が、これら他の課題にも当てはまると思います。なお、改善が必要な点はこれらです。ご参考までに。」といった要点を具体的にまとめて、共有してみましょう。少なくとも組織内では

  • 問題に気付いたり
  • 解決策を考えたり
  • それらを実行したり
  • そのために周囲の賛同を得たり
  • なおかつ成果を自慢するのではなく
  • 他者に関連性のある形で共有できる発信力のある人

と見てもらうことができます。転職する際にも、やってきたことに具体的な説得力をもって話ができるようになるので、話を盛りまくった候補者とは一線を画すことができます。誰でもできることでありながら、実際にやる人はあまりいない手法です。


同じことがよく、「発信が大事」と評されることもありますね。仕事ではありませんが、例えば私は先日、日本の格差についてこんなことを書きました。


格差は広がっているのか?


これを読んでくれた方は私が、

  • ある程度の長さの文章が書ける
  • 複数の資料を横断的に参照できる
  • 必要な情報をまとめられる
  • 英文も読める
  • 視覚的な表現も意識できる

といった能力を持っていると感じてくれるかもしれません。ですが、こういった成果物無しに「いやいや私、資料とか読んで長い記事書くの好きなんですよハイ」と言ったとしても、なかなか信じてもらえないでしょうし、信じてもらえたとしても、文章を見てもらった方が、より理解してもらえるかなと思います。


自分をブランディングする、などと言うと、何をしたら良いのか輪郭が掴みづらくなりますが、要は自分ができることをやり、それを目に見える形で(他の人にためになるように)まとめて、共有し続けていけば、その内容に応じて自然と「○○な人」として見られるようになります。そのような自分の価値を知らしめる行動を、自分が目指してみたい池の方向に合わせていけば、結果的にはそちらに向かって歩み出せる可能性が上がり、結果として年収も上がっていく確率が高まります。


上記については、年齢や経歴や学歴などによって再現性の幅に違いは出てきますし、すべての業態に該当するわけでもないと思われるので、どうしても万人に等しく有用とはいかないと思いますが、ある程度一般化が可能な方法だと考えます。以上のようなことを、投資を始めた約20年前からの試行錯誤の中で考えてきました。


本業の年収が上がらないと、それを不満に思ってしまうかもしれません。ですが、本業があること自体、とても恵まれた状況だと私は思っています。自身の年収を投資だけで稼ごうとすると元手もかかりますし、安定性にも欠けます。本業からの可能性の最大化は簡単ではありませんが、やる価値はあると思います。


私個人の場合、ここで紹介した方法を使いつつ、同時にその他の要素(運や巡り合わせ)の影響も大いに受けた結果「これ入金力ゲームじゃん」と気付いた約20年前に比べて、本業の年収は30倍になりました(当初年収がとてつもなく低かったため、過大にすごく見えますが気のせいです)。ここに書いた方法をやれば30倍!というわけではもちろんありませんが、今になって見ると、このような経歴の切り開き方があると気づいた、という視点の共有ができればと思いました。


【追記】

投資で大きく稼ぐのは難しいと書きましたが、元手が大きくなってからは話は別です。テンバガーの話を書きましたが、あれを一千万円でやれていたら、それだけで1億円です。元手が作れたらどう増やすか?を、元手が無いうちから考えたり学んでおいて、いざ元手が獲得できたら、遅滞無く投資を実行することで、少しでも長く時間を味方につけたいものです。


それと、英語は!とても!役に!立ちますよ!特に、仕事ができる能力や、他者と話がしっかりできる&しっかり聞ける能力と組み合わせると大変有用です。成果を共有するにしても、日本人だけを相手にするより、世界の人達を相手にできた方が、機会がより広がりますよね。

コメント

このブログの人気の投稿

「1億円を作るには」連続ツイートまとめ

一括投資 or ドルコスト平均法

リスク許容度とは